2人の看護師からの情報で、
秀頼の脳内会議が騒々しいことになっていた。

嫌な予感は、それこそ嫌という程よぎる。

久々に感じる胸のざわつきも、
この年になってどうしていいものか
わからないことが情けない。


こんな時、
あいつが自分の彼女なら、
すんなり止めにでも行ったのだろうが…


「いや、どうかな…」


柄にもなく、独り言までこぼれる始末だ。

結論の出ないまま、
胸のざわつきと共にゆっくりと歩いていた。


「!」


アパートに続く道を曲がったところで
大型のボルボとすれ違った。

一瞬で車内は見えなかったが、
恐らく、優子を乗せたのは、
あの車だろう。

大通りに出て街の方へ向かうボルボの
残像を見送って、
秀頼は心の中で舌打ちをした。