それから家のことを済ませ、
いつもは日付が変わってから入るお風呂に
今日は珍しく浸かっていた。

入浴剤で白く濁ったお湯に目を落としながら、
今日一日のことを振り返っていた。

夜からの楽しかった思い出のおかげで、
寂しさはまったくなかった。

これは最近の優子にとっては
かなり珍しいことだった。


いつもの私なら、今頃
先生のことばかり考えているのに…


優子は膝を抱えてじっと目を閉じた


「秀頼、先生…」


冷えた鼻先までお湯に浸かると、
さっきまで忘れていたはずの
秀頼のことが次々と頭に浮かび始めた。


『似合ってるよ』


柔らかい、大好きなその声が
耳のすぐそこで聞こえている…。


明日、先生に連絡してみよう。

私も今日で、
少しは変われた思うから…。