話を聞いていた南も、
同様に「ん?」の反応だった。


「なんでそんなこと言っちゃったの?」

「私にもわからないの。
 気づいたら口からそんなセリフが出てて」

「気づいたら、ねぇ」


南が箸をおいてスマホを触り始めた。

何かを探すようにスクロールをしていたが、
優子は構わず続けた。


「最近、自分で自分の考えがわからないの。
 今まで通り先生といたいのに、
 一緒にいると、マイナスなことばかり
 考えちゃう気がして…」


気がつけば焼きそばは最後の一口になっていた。
ほぼ無意識で食べていたらしい。

南はまるで元気のない優子を見て
しばらく考え込んだ後、

「よし!」と手を叩いた。


「本当に探しちゃお!出会い!」

「ぇ…」

「ずっと同じ人のそばにしかいないからだよ!
 たまには新しい世界に出るのも、
 気分転換になるかもよ?」

「気分転換、か」