なんでもいいんですかー?

と、どこからか声が飛んだ。


「いいですよ。
 私に答えられる範囲でしたら」

と至って真面目な口調で言う秀頼。

優子は、もうこの場にいたくないとさえ思った。

机の上で手を組んで、
頭を下げてじっとしていた。

南が心配そうに見ていることにも気づいていた。
が、今回ばかりは気づかないふりをした。


私だけが知っている先生のことが、
みんなに知られてしまうかもしれない。

いや、私だけが知っているなんて
私が一方的に思っているだけじゃないか…


頭上で質疑応答が飛び交う中、
優子は自問自答を繰り返した。

もっと先生に詳しい人はいるはずだし、
なんなら彼女だっているのかもしれないし、

先生が私を特別扱いしてくれてるなんて、
私がそう思っていただけかもしれないし…


「ペットは飼っていますか?」

「ペットですか…

 それに近いものでしたら、
 飼っているかもしれませんね」


え…?