「肺の手術を終えた患者さんは、
 大抵、水封式ドレーン、というものを
 挿入されます。

 これは看護師さんに、是非とも毎回の
 検温で確認していただきたいですね。
 ここ、テストに出ます」


優子はボールペンを走らせた。

"ここ、テストに出ます"

いつもなら、重要な部分に☆マークを
つけるだけだというのに…


いつもは90分授業だが、
秀頼の授業は60分で終わった。


「少し早く終わり過ぎましたかね」


そう秀頼が森山に尋ねると、
森山は「そうですねぇ」と言いつつ、
パッと明るい顔になった。


「では、先生への質問タイムなんてどうでしょう!」

「質問ですか…いいですよ」

「あら♡」


秀頼が簡単に了承すると、
クラスがまた一段とざわついた。

もちろん、優子の心もますますざわついた。