胸に埋めた顔を上げると
今まで見た中でも
一番の優しい秀頼の顔があった。


「先生、大好きです!」

「あぁ、知ってる」

「先生は?」

「……」

「恥ずかしいか~フフフ」


秀頼の首に手を回して、
優子はその肩にもたれかかった。

体が秀頼の腕の中にすっぽりと納まる。

こんなにぎゅっと抱き着いたのは
きっと初めてだったが、
まるで優子専用のようにフィットする。

そう感じてしまうのは
幸せすぎて脳が溶けているからだろう。


「いつもはクールなのに照れて、
 先生、かわいいです」


とからかっていると、
突然秀頼の顔が一段と近づいた。

ちゅ…とわざと音を立てて、
すぐに離れた唇がいたずらに上がっている。

不意打ちのキスに、
気づけば優子の方がフリーズしていた。

秀頼がフッと笑う。

そして再び、その長いまつ毛が揺れた。

優子はそっと目を閉じて
秀頼の想いを受け止めた。

濡れた音が恥ずかしくて、
その想いが苦しくて、
でも、全部、全部欲しくて、

息苦しいのが、幸せで…

頭がおかしくなりそうな
それはそれは甘い時間。


「ッ…ハァ…」


ようやく唇が離れると
部屋が一段と、涼しく感じた。


「…どうだ?」

「随分と伝わりました、です」

「フッ…それはなにより」