潤の話に驚いた優子だったが、
その目は喜びと恥ずかしさで
僅かに潤んでいた。
いつだって先生は、
私を助けてくれた…。
いつだって守ってくれた。
こんなに恵まれて、
こんなに幸せで、
何か罰が当たりそうで怖いぐらい。
優子は照れ笑いを浮かべながら
こぼれた涙を拭った。
潤がクスッと微笑んで言った。
「これだけ大事にされてるんだから、
何も心配しなくていいんだよ。
次からは、我慢しすぎないようにね。
目一杯、あいつに甘えていいんだから」
その言葉で、溜まっていたものが
一気にこみあげた。
迷惑かけられないと思いながら
結果的にこんなことになってしまったこと。
思い返せば目を覚ましてから、
申し訳ない気持ちばかりだった。
メッセージでも診察でも
秀頼に謝ってばかりだった。
その度に「気にするな」と
頭を撫でてくれた秀頼に
優子もまた、言えていない言葉がある。
「君が危険な目にあうことが、
ヒデにとっては一番怖いことなんだと思うよ」
「…はい。
はい、ありがとうございます…うぅ…」
「あぁ、泣かせるつもりじゃなかったのに。
ヒデに怒られちゃうな、俺が」
潤は困ったように笑いながら
優子の頭をポンと撫でた。