東都南大学病院の救急では、
今日も新型感染症班の秀頼が当直で
感染症患者の対応に当たっていた。

ほとんどが軽症であり、
トラネキサム酸とカロナール錠を
何度処方したかわからない。

深夜0時を回ったところで、
コールを取った看護師が当直室に入ってきた。


「先生、感染症の急患です」

「症状は?」

「それが、サチュレーション85%
 重度呼吸不全で意識障害ありです」

「わかった」


久々の重症患者。
しかも状態はかなり悪い。

何度診てきても、
やはり緊張感が走る。

マスクと手袋をつけて救急外来に入ると
やはりスタッフが慌ただしく準備していた。