いつものクールな瞳が見開かれる。

驚きなのか、戸惑いなのか
わからない。

だが、それは優子も同じだった。


「…悪い」

「え?」


その謝罪は、何を意味しているの?

優子の鼓動は激しさを増す。


「ふざけすぎたな」

「い、いえ…
 いや、そうですよ!
 からかわないでください、あんまり…」

「あぁ」


腰に巻かれた腕が解かれ、
優子は秀頼からそそくさと離れた。

気まずい空気が流れる。

気まずいという言葉が正しい表現か
難しいところだが、

二人はずず…と音を立てて
冷えたコーヒーをすすった。