もちろん、告白なんてとてもできない。

そう思っていたのに、たまたま学園祭の後夜祭で大和と二人きりになる機会があって。

「お疲れさま、速水君。」

「先輩こそ、ミスコンお疲れさまです。」

私は一人、教室にいて外で盛り上がるバンド活動の音を聞いていた。

するとがらりと扉が開いて、入ってきたのが大和。

「ここ、いいですか?」

「は、はい…」

隣にすわる大和に、すごくドキドキした。

私って意外と大胆だったのかもしれない。

だって考える暇もなく、口に出ていたから。

「速水君、私、あなたが好きです。」

ハッとして我に返ると、目の前には少し目を開いた大和。

やってしまった。

そう思って後悔した瞬間、

「…じゃあ、付き合いましょうか?」

かえってきたのは意外な言葉。

付き合うってことは、私、大和の彼女になれるってこと?

両思いだってこと?

「いいの?」

「先輩が告白したんでしょ、嫌なんですか?」