なんでも大和たち四人は入学当初から有名だったらしい。

そういう話題に疎い私は恋愛も未経験で。

そんな私が大和を好きになったのは二年生の夏頃。

その日は日直の仕事で、前が見えないくらい重いノートを抱えてよたよたと歩いていた。

するとヒョイッと視界が広がって。

「俺が持っていきますよ、職員室ですか?」

たったそれだけだったのに。

それからどんどん知りたいって思うようになって。

あまり笑わない、話さない、どちらかといえば物静か。

クールで一見無愛想に見えるけど、本当は優しい人なんだ。

気がつくと目でいつも追っていた。

校内で探していた。

「それは恋だね。」

思い切って妃咲に打ち明けると、キッパリとそう言われた。

ずっと憧れていた恋。

告白はされたことはあったけど、みんな全然知らない人で、どうして私みたいな地味でつまんない子にって思ってた。

私は、はじめて大和に恋に落ちたんだ。