俺は顔を上げて、先輩を見た。

優しく、柔らかく微笑む先輩。

すごく、きれいだ。

「私も、梓君のことが好きです…」

俺が、一番欲しかった言葉。

何よりも待っていた言葉。

まだ信じられない…

だって、花恋先輩が俺のこと、好き?

「俺、…先輩の本当の彼氏になってもいいんですか…?」

先輩は恥ずかしそうに目を伏せる。

「…なって、くれるの?」

そんなの、もちろん!

「なります!ならせていただきます!」

やっとなれた、俺の一番の夢。

俺のなりたかったもの、夢、全部の一番は何もかも花恋先輩のことだ。

「先輩の一番にしてくれるんですか?」

花恋先輩は横に首を振った。

そして、言う。

「…一番じゃないよ、梓君だけだもん。二番も、三番もいない。梓君だけが好き。」

…あー!

もう、かわいすぎ!

俺を悩殺する気ですか!?

「好きです、好き。…好き!」

いくら口に出しても足りない。