「その時に良い話が聞けるように願っとく。」

「梓、行って来い!」

俺は背中を押され、走りだした。

早く、早く。

大好きな人の元へ。

カランカラン!

店に入ると、もうすぐに先輩を見つけてしまう。

それくらいに俺は花恋先輩しか見えてない。

「先輩!」

「梓君、来てくれたんだ…」

当たり前です!

俺は花恋先輩の行くところなら、南極だろうが砂漠だろうが、どこだってついていきますから!

「じゃあ、行こうか。」

俺達は店を出て、近くの公園のベンチに並んで座った。

久しぶりにこんなに近くに先輩がいる。

もう何回言ったからわからないけど、やっぱり思う。

うん、相変わらずかわいい。

それになんだか、少しだけ大人っぽく、綺麗にもなったような。

「あのね、梓君、私、…」

こんなに近くにいられるのも、今日で最後なのかもしれない。

いや、決めたんだろ。

ここで、今日で、終わらせるって。