「ありがとうございます!大切にしますね。」

「おう、家宝にしてくれよ!」

そんな冗談を言って笑ってくれる紺野。

「先輩、梓先輩はかっこよかったですよ!」

かわいい、じゃなくてかっこいい。

俺が一番言われたかった言葉。

ありがとな、紺野。

俺は教室に戻っていく後ろ姿を見ながら、改めて感謝した。

「はー、やっと落ち着いた。俺には彼女、いるっつーの。」

ようやく女子たちから解放された真と大和がグッタリした顔つきで戻ってくる。

「四人で写真撮ろうぜ!」

洋貴が携帯を取り出した。

俺の大切な友達。

花恋先輩の好きな人が大和で良かったって思うよ。

だってこいつ、いいやつだもん。

俺も大和が好きだから。

俺様ででも根は優しい真も、しっかりものでいつも俺の相談に乗ってくれた洋貴も、みんなみんな大好きだ。

「よっしゃ、洋貴と真が出て行く前に、一回集まろうぜ!」

俺がそう言うと、みんなは呆れたように、でも、やさしく笑った。