「卒業生代表、答辞、一ノ瀬優。」

檀上に上がっていくその姿は惚れ惚れするくらいかっこいい。

心地のいい声で一ノ瀬が答辞を読み始めると、この三年間のことが頭に浮かんでくる。

一年の夏、保健室で初めて花恋先輩と出会った。

あまりの可愛さに、びっくりしたっけ。

一年の秋、大和と花恋先輩が付き合い始めた。

あの時の俺は毎日毎日笑顔を貼り付けて。

本当は二人を見るのが辛かった。

一年の冬、初めて抱きしめた先輩の体はとても柔らかくて、力を入れたら壊れてしまうかと思った。

二年の文化祭、2年連続ミスに輝いた花恋先輩。

あの時、すげえ綺麗だったな。

それから卒業式の日、告白たんだ。

ちょうど一年前の今日。

俺は花恋先輩に思いを伝えた。

残念ながら届かなかったけど、後悔はしてないよ。

それから三年生の一年が一番濃かった。

仮ではあるけど花恋先輩の彼氏になれて。

付き合ってからいろんな先輩を見た。