「じゃ、俺はこっちだから。」

大和はそういうとさっさと法学部の受験会場に行ってしまった。

「よし!」

俺も行くかな!

後ろ向きになんな、梓!

お前の長所は前向き、ポジティブシンキングなところ!

手の中には花恋先輩からもらった御守。

その中にはメモもバッチリ入れている。

これさえあれば、きっと大丈夫!

そう、きっと。


「…やべえ、落ちたかも…」

受験終了後、大和と電車に乗りながら俺は心が折れてた。

「そんなにできなかったの?」

「もうできたのかできてないのかさえわかんね。」

さすがは難関国立。

二次試験、半端なく難しかった。

センター試験の比じゃない、これ。

「まあもう終わったんだし、先のことだけ考えてろ。」

大和…

お前ってやっぱかっこいい。

俺の永遠の憧れだよ。

「大和、ありがとな!お前やっぱモテるわ!」

「は?何突然。」

花恋先輩も忘れられなくなるはずだよ。