花恋先輩にそう言われると、ものすごく嬉しい。

「それと、もう一つ俺の夢があるんです。」

これはもう、ずっと前からの夢。

「俺、夏休みに先輩に二番目でもいい、都合のいいように利用してくれてもいい、って言いました。」

先輩が少しでも俺のことを見てくれたら、考えてくれたら、それでよかった。

でも、花恋先輩の彼氏として一緒に過ごすうちに、俺の欲はどんどん大きくなっていって。

「俺は、先輩の本当の彼氏になりたい。本当の好きな人になりたいです。」

これが俺の、もうひとつの夢。

「花恋先輩、大好きです。」

先輩の目を見て、いう。

もう恥ずかしくなんてなかった。

「…先輩は、まだ大和のこと、忘れられない?」

だからそんなふうに、また俺の目を見ないの?

胸がぎゅっと鷲掴みにされたように痛い。

どうやったって、大和を先輩の中から消し去ることはできないのか。

「…だって…」