駆け出そうとして足が止まる。

俺、言ったよな。

夢が決まるまで、会わないって。

俺の決意、こんなに弱いものしていいのか?

「梓君?行かないの?彼女さんいるけど。」

冬奈ちゃんが花恋先輩の方を見ながら言う。

俺が今、やるべきこと。

それは花恋先輩の元へ走って行くことじゃない。

「俺、帰る!」

「へ?もう!?」

やりたいこと、探してみよう。

今日もらったパンフレットを見て。

いろんなことを調べてみよう。

自分が少しでも興味のあることを探そう。

小さなことでもいい。

好きなことを、やりたいことを、見つけよう、

そこから夢を見つけて、それが決まったら一番に先輩に
報告しに行くから。

だから、花恋先輩。

待っててね。