しかもせっかく約二ヶ月ぶりに会えたのに、まともに話せてないし…

いや、俺が会わないって決めて会わなかっただけなんだけど。

気がつくと気まずそうに俺を見てる桜子ちゃんと二人、取り残されていた。

「教育学部、行く?」

「うん…」

桜子ちゃんとは二年のはじめ、知り合った。

大和とは生まれた時からの幼なじみらしい。

「なんで桜子ちゃんは教育学部に行こうって思ってるの?」

「うーん、わたし、古文とか結構好きでね、その楽しさを教える立場になれたら素敵だなって思ったの。」

なるほど、古文の先生か…

確かに似合うかも。

「あとね、今学校で古文を教えてくれてる先生がすごくわかりやすくて、憧れなんだ…!」

そういやいつだったか柚が言ってたっけ。

古文のたしか、春川?先生がかっこいいとか。

あいつ、なんだかんだミーハーなんだよな。

「梓君は?どうして教育学部なの?」

「俺は…」