やべ、なんか泣きそう…

「ふーん、彼氏ね。」

そいつは俺のことをジロジロ見る。

な、なんだよ!

ちょっと背が高いからって、イケメンだからって見下ろしてんじゃねえ!

「そろそろオープンキャンパス始まるんだけど。」

そこで大和のナイスフォロー。

「俺は法学部に行くから。梓は教育学部でしょ?また終わったら連絡して。」

「あ、あの、私は…?」

桜子ちゃんが困ったように言う。

「さくは大学で教育学びたいんでしょ?梓と教育学部見に行ってくれば?たしかすみれが丘と合同のゼミなんかもあるらしいし。」

おい!

大和!

一体何考えてんだよ!

俺と桜子ちゃんを二人にする意味がわかんねえよ!

この上なく気まずいだろうが!

「じゃ俺達は屋台の手伝いに戻ろうぜ、永峰。」

するとそいつは強引に花恋先輩の腕を引っ張って行ってしまった。

か、彼氏がいる前でよくあんなことできるな!

もしかして、俺って相当舐められてる?