妃咲先輩は手を振ると冬奈ちゃんと夕姫ちゃんを連れて行ってしまった。

つうか！

このメンツ、どうなわけ！？

メチャ気まずいじゃん！

花恋先輩の元カレの大和、大和の今の彼女の桜子ちゃん、花恋先輩のいまの彼氏（仮）の俺。

あー、複雑！

「なーがみね！」

すると突然、俺の目の前に現れた男。

「谷村君…」

「なにしてんの？今日はすみれ祭でしょ？そっちの屋台、なにか手伝うことない？」

何なんだ、この男。

やけに花恋先輩に馴れ馴れしいな…

「ん？永峰の、弟？高校生？」

また、言われた。

弟だってさ。

「違うよ、彼氏だよ。」

へっ？

あ、れ？

夢、じゃないよな！？

今、花恋先輩の口から夢にまで見た言葉が…！！

「梓君は、私の彼氏だよ。」

そして今度はきっぱりと言った。

どうしたんだろう…

いや、めちゃくちゃ、すっげえ嬉しい。

天にまで登る勢いで、もしかしたら人生で一番に嬉しい言葉かもしれない。