「…っ…」

何も言わずに、下を向く。

でもそれが先輩の答え。

「…俺、受験が終わるまで先輩には会いません。メールも、電話もしない。けど受験が終わったら、先輩のとこにすぐに行きます。それでもう一回言いますから!」

それで振られたら、今度こそ終わる。

じゃなきゃ俺、このまま花恋先輩のことしか好きになれそうにない。

諦めることも時には必要。

「へえ…梓、大人になったね、…」

そう言って、俺の頭を子供のように撫でてくる洋貴の手を振り払った。

「やーめーろ!」

「ごめんごめん。」

たく、いつまでたっても子供扱いしやがって!

今に見てろ、洋貴の身長なんてすぐに抜かして…

や、やるんだからな!

「何戯れてんの?」

トイレによってから帰ってきた真と大和が俺達を見て不審な顔をする。

「別に!」

大和を見ると湧いてくる、ぶつけようのないモヤモヤとした思い。

大和も、花恋先輩も誰も悪くない。