チャイムがなるとそれでも一斉にみんな動き出す。

「梓、遅かったね。」

洋貴が購買に言うというので俺もついていく。

「まあ、いろいろ。梓は教師になりたいから、教育大目指してんだよな?」

「うん、まあね。梓もずっと第一志望教育学部って書いてたよな。」

俺は洋貴みたいにちゃんと目標が定まっているわけじゃないけど。

「そういえば最近、永峰先輩の話しないね。大和に気を遣ってるのかと思ったけど、そうじゃないっぽいよな。」

さすが、長年の親友。

そう、俺の頭の中でいつも一番だった花恋先輩の存在。

けど、実はあの文化祭の日から会ってない。

メールもしていない。

「うん、会わないって決めたんだ。」

文化祭の日、また告白してしまった俺。

それに対してやっぱり困ったような顔をする花恋先輩。

「先輩は、まだ大和が好き?」

一番聞きたかったこと。

一番聞くのが怖かったこと。

思い切って聞いてみた。