オエッ

やっぱり苦い!

「で、どうしたの?数学の質問?」

そんな俺に気を使ったのか、何も言わずににこやかに話を続ける神崎。

「いやー、その、先生はなんで先生になろうと思ったんですか?」

ずっと聞いてみたかったこの質問。

どうせ年配の教師に聞いたって教えてくれない。

だから一番若いであろう、神崎に聞いてみたかったんだ。

「うーん、なんでだろう…」

すこし考えこむと、困ったように笑う。

「でも、兄の影響かな。」

兄?

「俺の兄が大学で教育学部で、体育の先生目指してたんだよ。実習の話とか聞いてたから、楽しそうだなって思って、そしたら自然と教育学部を目指すようになった。」

へえ…

そういえば、この人、たしか真の親戚なんだっけ?

よく見ると真に似てるような、いや、似てないような…

「園田君?」

「あっ、すみません!」

自分から聞いといて、何ボーッとしてんだ!