いよいよ十一月目前、進路決定の時期がやってきた。

真はすでにバスケの推薦で東京の大学に決まっている。

洋貴は隣の県の教育大学を目指してもう勉強中。

大和は俺と同じすみれが丘に一番近い地元の国立の、その中でも偏差値の高い法学部を狙っているらしい。

何でもずっとやっている剣道を活かして、警察官の勉強をしたいんだとか。

みんなそれぞれ夢に向かって進んでいく。

そんな中、俺は宙に浮いたような気持ちでいた。

大学には行きたい。

けど何をしたいのかって聞かれたら、言葉に詰まってしまう。

俺の好きなこと、ハンドボール、スポーツ、食べること、それから一番は花恋先輩。

でも花恋先輩学部なんてのは大学にあるわけなく。

まあそんな学部あったら一発で主席合格だけどな!

「園田はずっと教育学部って書いてたけど、どうなんだ?」

今は最終面談の真っ最中。

担任の吉田が俺の調査書を見ながら言った。

この前やった模試では第一に教育学部ってかいた。