先輩は髪からバレッタをとると、手のひらにおいてまじまじと見つめた。

気に入らなかったとか…!?

「…っ…ありがとう!すごく、すごく嬉しい!」

はー…

よかった!

「生まれてよかった…わたしも、梓君と会えてよかった!」

先輩、またそんなこと言っちゃって。

俺、バカだから、単純だから、期待しちゃいますよ?

期待しても、いいんですか?

先輩との距離が少しずつだけど近づいているような気がするのは、俺だけ?

先輩の笑顔が増えたような気がするのは、思い込み?

大好きな人が生まれてきた日、初めて渡したプレゼント。

ハッピーバースデー、花恋先輩。

俺、これからももっともっと一つ大人になった先輩に見合うように頑張ります!