そしてそのあと、母さん率いる園田家の勢いに押され、花恋先輩はうちで晩御飯を食べることに。

俺なんかそっちのけで、母さんと柚と楽しそうに料理をする花恋先輩。

図々しくてなれなれしい我がファミリーにイライラもしたけど、まああの笑顔が見れたから、よしとしよう。

「これ、持って帰って!うちの余ったパンなんだけど、まだ食べれるから!」

「また来てね!梓、ちゃんと送って行ってあげなさいよ!」

うるさい見送りを受けながら、俺は花恋先輩と一緒に歩いた。

自転車を押しながら、先輩の横顔を盗み見見る。

その顔は朝とは打って変わって、穏やかで優しい顔。

「梓君、今日はいろいろ本当にありがとうね。私、あんな賑やかな晩ご飯、初めてですごく楽しかった。」

そう言って、先輩は本当に楽しそうに笑ったんだ。

「うるさくてすみません、うちの家族、いつもああなんですよ。」

「ううん、すごく暖かくて、いいなって思った。…私、羨ましいな、梓君のおうち。」