いや、わかってるよ。

仮に、期間限定だってこと。

それでも嬉しい。

「ただいまー!暑かったー…葉!お茶ついでー!」

「いやー、この暑さの中のパン焼きは地獄だな…華もお疲れさま。」

バタバタと玄関から声がして、しまったと思ったときにはリビングに入ってきていた二人。

「あ、お父さんお母さんおかえりー。」

「たく、人をこき使って…はい、お茶!」

「ありがとう…ん!?」

あーあ、バレてしまった。

母さんの目線は花恋先輩の方へ。

「おじゃましてます!」

花恋先輩はペコリと頭を下げる。

「あ、こちらね、梓の初彼女!永峰花恋さん!」

なぜか柚が説明する。

「あら、あらあらあら!まあまあ!梓にこんなかわいい彼女が!」

ほら、言わんこっちゃない…

「梓もなかなかやるなー!はじめまして、梓の父の園田樹です。」

「母の園田華です!そうだ!今日ね、久しぶりに外でバーベキューしようって言ってたの!食べていって!」