「大和、職員室で何だったの?」

「んー、なんか進路について。この前調査書出したじゃん。適当に書きすぎて怒られた。」

サラリと言うこの男、実は成績も優秀を

でもだからといってガリガリ勉強しているわけでもなく。

ついでに言うとスポーツも何でもできる。

去年の秋の球技大会では見事俺達のチームはバスケで優勝。

「あーあ、ついに俺達も受験生だなあ。」

洋貴が他人ごとのように言う。

そうだ、俺達は今日から高校三年生になった。

先月までいた三年生は卒業し、そして校庭にはもう散りかけの桜が舞っている。

俺はその桜を見ながら、先月のことを思い出した。


「俺、花恋先輩が好きです!」

俺がそういった時、彼女は驚いたように目を丸くした。

それは当たり前だろう。

だって元カレの友達から告白されてるんだから。

俺が卒業式の日、意を決して告白したのは一つ年上でこの春卒業した永峰花恋先輩。