ボチャン!

俺のやる気も虚しく、落ちていった水色のヨーヨー。

「もう一回!」

ボチャン!

「もう一回!」

ボチャン!

「もう一回!」

「梓君、もういいよ。」

花恋先輩が困ったように笑う。

いや、けどここで諦めたらなんだか花恋先輩のことも諦めなきゃいけないような気がする。

「もう一回だけ!」

「兄ちゃん、頑張るねえ。」

店のおじさんにお金をを託す。

頼む!

慎重に近づけて…

「…っ…!!」

パチパチパチ!

周りの客から拍手が起こる。

やっととれた!!!

「先輩っ!」

でも振り返ると、そこには花恋先輩はいなくて。

えっ!?

もしかして俺がヨーヨーに夢中になってることに嫌気が差した?

ガキ臭い俺の行動に呆れた?

「梓君!」

「ひえっ!」

急に首に冷たい何かを押し当てられて、変な声が出る。

「おつかれさまでした!とってくれて、ありがとうね。これ、お礼。」