「はい!!」

やった!

待った甲斐があった!

外に出ると五時のチャイムがなっている。

まだこんなに明るいのに、もう五時なんだな。

「先輩、荷物持ちましょうか?」

「いいよいいよ、梓君も鞄持ってるでしょ。」

先輩の鞄ならいくらでも持てます!

「今日は来てくれてありがとう。実は、例の人、梓君とも話してたあの人なんだ。」

やっぱり!

「ごめんね、こんなことさせちゃって…」

「いえ!俺が好きでやってることなんで!」

先輩が、好きでやってることだけどね。

「先輩こそお疲れ様です。バイトってやったことないですけど、すげえ大変そうですね。」

一日中ほぼ立ちっぱなしで働きまわっていた先輩。

「もうすぐ始めてから二ヶ月経つけど、終わったら私、ヘトヘト。」

「あ、だったら今度からチャリで迎えに来ます!そしたら先輩のこと、乗せて家まで送りますよ!」

「二人乗りはだめだよ!…それに、こうやってのんびり歩くのも、いいよ。」