「じゃあ、オレンジジュース…じゃなくて、コーヒー!ブラックで!」

ここは少しでも男らしいところを見せとかないと。

やっぱ男は黙ってブラックコーヒーだよな!

「はい、かしこまりました!」

そう言うと厨房に引っ込んでいった先輩。

先輩、いつバイト終わるんだろ。

待ってたら迷惑かな。

でも学校も違うし、二学期になったらますます会えなくなる。


何としてでもこのチャンスを逃してたまるか!

「コーヒー、ブラックです。」

持ってきてくれたのは可愛い花恋先輩…ではなくて、男の人。

ちっ…

て言うか、この人、イケメンだな…

背も高いし、黒髪も決まってるし、顔もクールで、なのに眼力はあって…

誰かに似てる…

「永峰さんの弟さん?ゆっくりしていってね。」

爽やかに笑うその人。

お、弟!?

「違います!彼氏です!」

思わず大きな声で言ってしまったから、周りの客の注目を浴びてしまう。