先輩、それは反則です。

「で、付き合うことにしたの?」

洋貴が驚いて言うのも無理はない。

なんてったって、あの花恋先輩の彼氏(仮)になれたんだからな!

洋貴には散々愚痴や悩みもきいてもらったし、ほんと、感謝してるよ!

「お前さ、…それでいいわけ?いいように利用されてるんじゃないの?」

「いいよ、別に!」

利用でも何でも、先輩が俺と付き合ってくれる。

また会える、しかも彼氏として。

それだけで十分俺は幸せだから。

「ほんっと、お前っていい性格してるよな。」

「ポジティブと言ってくれ。」

それにもしかしたらこの仮のお付き合いから進展していくかもしれないし!

「大和には言わないほうがいいよな。あー、なんか複雑だわ。」

洋貴がため息をつく。

「悪いな、気、つかわせちゃって。」

「いいよ、俺も梓が永峰先輩のことずっと好きなのはしってたしな。」

一年の時から同じクラスで一目惚れした当初からの相談相手だった洋貴。