か、彼氏って…

もう付き合ってだいぶ経つのに、まだなれない響き。

「世莉とは小学校が同じで。そういえば中学からすみれが丘だったっけ。」

「そうそう、アズちゃん、だいぶおっきくなったね。前にあった時はあたしと同じくらいだったのに。」

そりゃあ小学校のときからっていったら背も伸びるわ!

「世莉はあんま変わってないみたいだな!相変わらずちっちゃい。」

「うるさい!そういえばゆずこも言ってたよ。アズちゃん、花恋先輩にべたぼれで家でもズーッと先輩のこと話してるって。」

おい!

柚のやつ、余計なこと言いふらしやがって!



「美味しかったですね。明日は先輩も作るんですか?」

「ううん、私はオーダーとったりする係だから。」

それはますます心配だ。

すみれが丘は女子大だけど、隣接するうちの大学には花恋先輩のこと狙ってる奴なんてものすごいたくさんいるんだから。

俺が付き合ってるってわかってても狙うって、どんだけ俺って下に見られてんだ?