にしても、みんな浴衣着てるんだな。

てことは、明日は花恋先輩は浴衣着る!?

絶対見に来ないと。

て言うか、先輩の浴衣姿、可愛すぎるから心配。

「じゃあ、あんみつ二つ、お願いします!」

「はーい。」

向かいの席で楽しそうにパンフレットを眺める先輩。

絶対に他の男に言い寄られるよな、明日。

そういえばこの前もデートの待ち合わせ場所でナンパされかかってたし。

こんなに可愛いのは、罪。

たまに思うんだ。

俺と花恋先輩の好きの重さは3:7、いや、もしかしたら2:8くらいだったりして…

「あれ、もしかして、アズちゃん?」

あ、アズちゃん!?

この懐かしい呼び方をするのは…

「世莉!」

俺達の前にあんみつを置いたのは同じように浴衣を着た、女の子。

だけどよく見たらその顔には昔の面影が。

「梓君と世莉ちゃん、知り合いだったの?」

「もしかして、花恋先輩の彼氏ってアズちゃんなの?」