先輩と付き合ってから一年半、今年もこの季節がやってきた。

俺が通う朝比奈大学と隣接するすみれが丘女学院が同時開催するオープンキャンパスと学祭、通称すみれ祭。

大学二年になった俺は大学でも入ったハンドボール部の屋台である焼きそば屋を手伝っていた。

「梓!もっと早く炒めて!焦げてる!」

ハンドボール部のマネージャーの妃咲先輩が厳しく指導。

「俺、もうすぐシフト交代ですよね?…そろそろ…」

早く行かないと、待ち合わせの時間に遅れてしまう。

「何言ってんの?これ作ってからでしょ?ダーイジョーブ。愛しの愛しの花恋姫にはあたしがちゃーんと言っとくから!ね!」

こわ!

その笑顔、怖すぎる!


「花恋先輩!」

ようやく焼きそばを作り終え、急いで待ち合わせ場所に走っていく。

「梓君。」

朝比奈大学とすみれが丘の真ん中にある広場のベンチに座っていた俺の大切な彼女、花恋先輩は今日も可愛い。