別れたことを妃咲に報告すると、

「はあ!?なんで突然!?」

ってすごく驚かれた。

でも私の泣きはらした目を見て、何かを察したのかそれ以上は何も聞いてこなかった。

家に帰っても、授業中も考えてしまう大和のこと。

特に家に帰って、一人になると涙が溢れてしまう。

前に進まなきゃいけないのに、ずっと立ち止まったままの私。

そんな生活を送っていて、二年生最後の終業式の日、私は大和の姿を避けるように保健室のベッドで寝ていた。

これは完全なるはじめてのサボり。

一人になるとまた悲しみがこらえきれなくて。

そこに入ってきたのが梓君だった。

初めて人前で泣いた。

梓君の前で、泣いた。

梓君は黙って私の話を聞いて、そして私をそっと抱きしめた。

大和以外の男の人にそんなことをされて、びっくりしたけど。

梓君の腕は力強くて。

心地いいって思ってしまった。

私は梓君に甘えてしまった。