突然だけど、俺は一途だ。

それだけがとりえと言っていいほど、だと思う。

「花恋先輩、早くメールくれないかなー。」

なんて、今も彼女からの返信をずっと待っている。

「また永峰先輩?お前もめげないねー、振られてんでしょ?一回。」

呆れたようにため息をつくのは一ノ瀬真。

同じクラスのいつもつるんでいる仲間の一人。

真は学年の女子の人気を二分するほどのモテ男。

いつも自信があって、堂々としている。

「コラコラ、その話は大和が帰ってきてからは禁止ね。」

まるで父親のような安定感があるのは俺達と間違いなく同級生の洋貴。

「へいへい。…あっ!きた!」

そしてたかがメールの返信だけでこんなにも喜んでしまう、俺の名前は園田梓。

名前だけ見て女だと間違われたことは数えきれない。

さすがに今はなくなったけど、中学生までは本人まるごと女と間違えられることも。

それが俺のコンプレックスだった。