〜結愛side〜
「結愛,今日せっかくやし帰りプリ撮らん?」
「うん!いいなぁそれ。撮ろ撮ろ!」
いつも一緒にいるこの子は私の大切な友達。彼女の名前は相田香穂。抜群の運動神経の持ち主で背が高くスタイルの良い美人。香穂は私が物心ついた頃からの幼馴染で誰にでも優しく明るい子。どんな時でも私を側で支えて助けてくれる香穂が私は大好き。
「なあなあ!やっぱ高校になったら彼氏とかできるんかなぁ?」
「香穂は彼氏欲しいん?」
「当たり前!だっておったらthe青春って感じするやん!結愛は?」
「うーん,私はどっちでもいいかな?私のこと好きになってくれた人がいるならそれはそれで有難いし。」
恋愛とかそういうのが嫌いってわけじゃないけど正直よく分からへん。そういや私のタイプの男の子ってどんな人なんやろ?それすらも分かってへん。
「香穂ってさ、どんな人がタイプなん?」
幼馴染のくせにこんなんも分かってへんねんな、私。
「私?あー…えーっとぉ…,ごめん私も自分のタイプ知らんわ。」
思いもせんかった香穂のアンサーに思わず私は吹き出してしまった。
「なんや,香穂恋愛にめっちゃ詳しいって思ってたのに自分のタイプ知らんねんな。」
「しっつれいやなー!自分のは分からんくても誰と誰がいい感じとかあの子絶対あいつのこと好きよなくらいは分かるし!」
それに関しては当たっている。香穂は何度も誰と誰がカップルとかあの子はあの人が好きとか予想してたけど百発百中で当たっていた。それでもやっぱり自分のより他人の恋愛の方が興味あるってわけか。まあ大体みんなそうよね。色々雑談してたら学校に着いた。今日から始まる新しい生活。
「結愛,とうとうやね。」
「うん。同じクラスなれるかな?」
「いやそれな?これはめっちゃ大事。」
ふぅ〜っと深呼吸して2人で正門を潜りながら,
「平穏な学生生活が送れますように!」
「素敵な青春が送れますように!」
と言った。
学校に着いて私たちはクラス発表の場所へ向かった。
「あ,私の名前あった!4組1番。また1番かー。結愛は?」
香穂は4組か。なら私も4組やったら香穂と同じクラス。
「えっと…私は…あー!あった!4組26番!一緒のクラスや!!」
「え!?がち!やったー!!」
「良かったぁ。」
よし!今年1年は大丈夫そう。
「教室行こっか。」
「うん。」
その時,
「あ痛。」
香穂の肩に誰かがぶつかった。割としっかりドンって音したからぶつかってしまった香穂は痛そう。でもぶつかった相手はただ香穂を睨んでどこかに行ってしまった。
「はあ!?なんなんあいつ!ぶつかったのに謝らんと睨むなんて。」
「まああれはちょっとねぇ…。」
香穂普段そんなことされたら絶対言い返すのにこの時は何故か言い返さんかった。なんでかって?相手は190超えてるだろうなと思える高身長でキリッとした目つき,真顔,そして謎の威圧感があったから。流石の香穂も言い返すことは出来ひんかったんやろうな。見た目も怖そうやし。それでもその時香穂にぶつかった人は香穂の今後の人生に大きな影響を与える人物になるとはこの時思いもしんかった私たち2人やった。
〜伊織side〜
「おーい伊織〜!遅れてごめん。」
「遅いわ洸。お前いっつも待ち合わせ遅刻してるやん。」
「ごめんてー。」
俺のこのいつも一緒にいる友達の名前は寺橋洸。コイツいつも待ち合わせに数分は遅刻する。もうこのやり取りも何回目か分からへん。もう怒る気力も失せて今は呆れてる。最初はイライラすることもあったけどもう慣れた。
「まあいいわ。後お前相変わらず金髪なんやな。」
「おう!そうやで?金髪かっこいいやろ?」
「かっこいいかはどうか知らんけど注意されたりしたらちゃんと黒に戻しいや。」
「わかってるって。」
俺と洸は中学で出会った。たまたま中学の入学式で同じクラス,席が前後になり俺らは仲良くなった。しかもそれが3年も続いた。だから今度は高校も一緒で高1でも同じクラスになったら4年連続同じクラスになる。まあそうなってくれる方が安心やし洸とクラス一緒になったらなんだかで賑やかでおもろいクラスになるから良い。俺ら何組になるんやろ?
「なぁ伊織。」
「ん?」
「俺さ,高校で彼女作ろって思ってんねんけど,出来そうやと思う?」
いきなり何言い出すんかと思ったらそれか。まあ洸のことやからそんなこと言っても違和感ないけど。
「知らんわそんなん。今後の自分の行い次第でできるんちゃう?」
大体洸は女好きなところがある。それさえ直せばまあ希望はあると思う。
「俺彼女欲しいんよなぁ。中学のときやって彼女できひんかったし伊織はモテるし。あーあ,モテる男は羨ましい!イケメンずるい!」
イケメンに嫉妬したって意味ないのに…。結局は中身がどれだけ良いかが重要やと思う。まぁ多少見た目雰囲気は大事。あと俺ってモテてたんや。知らんかった。
「洸,お前まず雰囲気変えたらどう?チャラチャラしてんの苦手な子の方が多いやろ?」
「それ思ってんけどな,どうしても爽やかにしようとしてもなーんかしっくり来んくてな。結局この見た目の方があ,俺や!ってなるんよ。」
まあそれは言えてる。変に見た目変わっても違和感感じそう。
「まあ洸が1番好きな格好で良いんちゃう?俺は別に今のままでいいと思う。」
「お前さっき言ったことと矛盾してんな。」
「あ,すまん。」
「いいってことよぉ。」
いつものトークをしていたら学校についた。
「おっしゃー!青春すっぞー!!!」
「高校生活モテまくんぞー!!」
と叫びながら正門をくぐった。
「なあなあ,伊織何組やった?」
「俺?あー4組。お前は?」
「一緒。俺も4組。」
「はあ?ガチか。中学3年間もクラス一緒やってこれで4年連続やんか。」
「いいやんかー。俺は知り合いいる方がいいで。」
確かにその方がいいかもな。洸とは3年の付き合いでお互いのこと知り尽くした親友。洸と同じクラスの方がいいなやっぱ。
「おい。伊織。見ろよ。」
突然洸が俺の制服の袖を引っ張る。
「なんやねん。」
「ほらほら。あの子。ポニーテールの。」
洸が指差した先にはポニーテールの女の子がいた。小柄なタイプの女の子。俺から見たその子の第一印象は何かとやる気のなさそうな感じ。
「あの子がどうしたん?」
「いやなんかさ,めっちゃ可愛くない?」
うん,予想通りすぎるアンサー。
「そうか、頑張れ。」
「いや冷た!」
あの子何組なんやろ?後で名前聞こ。なんてナンパみたいなこと言ってる。いつもやけど。けど洸が目をつけた女の子,いずれお前の人生に大きな影響与えるっぽいよ。
「なあなあ,俺らの席ってあっこ?」
「ぽいな。黒板にはそう紙に書いてあるし。」
「けどさぁ,これはないやろ。」
洸がなんか経て腐ってる。
「何が?これ出席番号順なんやから別になんもおかしくないやろ?」
「いやいやいや。俺ら今まで3年間出席番号前後やってんで?それやのに今年になって俺らの間に誰かおるってなんかなぁ。」
しょうもな!そんなんどうでもいいやん!
「いちいちそんなことで嘆くな。当たり前のことやし今年たまたまそうやったってだけなんやから。」
「けど…後ろ気安く振り向かれへん。」
あーそゆこと?まあ洸らしいっちゃ洸らしい。けど俺は嘘のない正直なことしか言わん彼のこと嫌いちゃうで。ホンマのことしか言わんから信用できる。そういや俺らの間には誰が来るんやろ?気になってみてみると
『中尾結愛』
と書かれていた。
「俺らの間の子,名前的に女の子か。」
「え?ガチ?女の子!?しかも『結愛』って名前,バチくそ可愛い子来るんちゃうん?」
おい洸,お前そんな喜ぶか?あとさっきのポニテの子はどうしてん。
「まあとりあえず座ろ。そのうち来るやろ。」
〜結愛side〜
「1年4組って…あ、ここか。」
「やっと見つけた。まあ先生に教えてもらったけど。」
私たちはようやく1年4組の教室を見つけ,そこに入る。やっぱ中学とは違うなぁ。ここで新しい生活が始まるんか。ちょっと楽しみ。
「ゲッ!また私席1番前やん。なんで1番の人っていっつも1番前なん?」
「出席番号順で座ろう思ったら自然とそうなるんちゃう?」
「え〜…結愛は?」
「私?えっとぉ…真ん中列右側後ろから3番目。まあまあ当たりかも!」
「ちょっと結愛いっつも席いいところ引くやん。ずるいって。」
そんなこと言われても…。まあ私の苗字であんまり4月初っ端で1番前にくることはそんな無い。それに比べ相田はそれよりも前にくる苗字があんまりないので1番になる可能性も4月初っ端で1番前になる確率も高い。
「香穂,大丈夫。アリーナ席よりマシやで。」
「そうやけど…。」
と渋々その席に座る香穂。さてと,私もそろそろ自席に座らないとな。と思い指定された席に向かう。すると私の席の後ろになるとある男の子と目があった。
俺は自分のほうに歩いてくる女の子と目があった。
すると私はなぜか分からないけど彼に心を奪われてしまった。
そして俺はその女の子のことで頭がいっぱいになってしまった。
私はたまたま今日席が後ろだった男の子に
俺はたまたま今日席が前だった女の子に
ー一目惚れしてしまった。ー
((あーあ,恋しちゃった。))
私の名前は中尾結愛。今日から鳴乃宮高校の1年生です。そんな私ですが今日早速恋をしてしまいました。その男の子は目鼻立ちの整った顔で背は高めなのにちょっと幼さが残っている。普通入学式の日くらい制服はまともに着るはずなのにその子はネクタイを緩めたりと着崩している。チャラそうなキャラなのかもしれないけど悪い気はしない。むしろ優しそう。
俺の名前は中山伊織。今日から高校生ってわけなんだけど女子とかあんま興味のなかった俺がまさか恋するなんて。その女の子はとにかく可愛くて大人しそうな子。そして小柄な体型。制服はバカ真面目に着てて俺とは全く逆のタイプの人間かもしれない。第1ボタン締めてて苦しくないんかな?少し微笑む笑顔がまた良く,誰にも優しそうな子な感じがする。
(あの人の名前なんていうんやろ?)
(あの子の名前なんていうんやろ?)
彼のことが気になるけどまだ話せへん。
彼女のことが気になるけどなんて話せばいいんやろ?
高校の入学式の日,私は
俺は
運命の出会いをした。
「結愛,今日せっかくやし帰りプリ撮らん?」
「うん!いいなぁそれ。撮ろ撮ろ!」
いつも一緒にいるこの子は私の大切な友達。彼女の名前は相田香穂。抜群の運動神経の持ち主で背が高くスタイルの良い美人。香穂は私が物心ついた頃からの幼馴染で誰にでも優しく明るい子。どんな時でも私を側で支えて助けてくれる香穂が私は大好き。
「なあなあ!やっぱ高校になったら彼氏とかできるんかなぁ?」
「香穂は彼氏欲しいん?」
「当たり前!だっておったらthe青春って感じするやん!結愛は?」
「うーん,私はどっちでもいいかな?私のこと好きになってくれた人がいるならそれはそれで有難いし。」
恋愛とかそういうのが嫌いってわけじゃないけど正直よく分からへん。そういや私のタイプの男の子ってどんな人なんやろ?それすらも分かってへん。
「香穂ってさ、どんな人がタイプなん?」
幼馴染のくせにこんなんも分かってへんねんな、私。
「私?あー…えーっとぉ…,ごめん私も自分のタイプ知らんわ。」
思いもせんかった香穂のアンサーに思わず私は吹き出してしまった。
「なんや,香穂恋愛にめっちゃ詳しいって思ってたのに自分のタイプ知らんねんな。」
「しっつれいやなー!自分のは分からんくても誰と誰がいい感じとかあの子絶対あいつのこと好きよなくらいは分かるし!」
それに関しては当たっている。香穂は何度も誰と誰がカップルとかあの子はあの人が好きとか予想してたけど百発百中で当たっていた。それでもやっぱり自分のより他人の恋愛の方が興味あるってわけか。まあ大体みんなそうよね。色々雑談してたら学校に着いた。今日から始まる新しい生活。
「結愛,とうとうやね。」
「うん。同じクラスなれるかな?」
「いやそれな?これはめっちゃ大事。」
ふぅ〜っと深呼吸して2人で正門を潜りながら,
「平穏な学生生活が送れますように!」
「素敵な青春が送れますように!」
と言った。
学校に着いて私たちはクラス発表の場所へ向かった。
「あ,私の名前あった!4組1番。また1番かー。結愛は?」
香穂は4組か。なら私も4組やったら香穂と同じクラス。
「えっと…私は…あー!あった!4組26番!一緒のクラスや!!」
「え!?がち!やったー!!」
「良かったぁ。」
よし!今年1年は大丈夫そう。
「教室行こっか。」
「うん。」
その時,
「あ痛。」
香穂の肩に誰かがぶつかった。割としっかりドンって音したからぶつかってしまった香穂は痛そう。でもぶつかった相手はただ香穂を睨んでどこかに行ってしまった。
「はあ!?なんなんあいつ!ぶつかったのに謝らんと睨むなんて。」
「まああれはちょっとねぇ…。」
香穂普段そんなことされたら絶対言い返すのにこの時は何故か言い返さんかった。なんでかって?相手は190超えてるだろうなと思える高身長でキリッとした目つき,真顔,そして謎の威圧感があったから。流石の香穂も言い返すことは出来ひんかったんやろうな。見た目も怖そうやし。それでもその時香穂にぶつかった人は香穂の今後の人生に大きな影響を与える人物になるとはこの時思いもしんかった私たち2人やった。
〜伊織side〜
「おーい伊織〜!遅れてごめん。」
「遅いわ洸。お前いっつも待ち合わせ遅刻してるやん。」
「ごめんてー。」
俺のこのいつも一緒にいる友達の名前は寺橋洸。コイツいつも待ち合わせに数分は遅刻する。もうこのやり取りも何回目か分からへん。もう怒る気力も失せて今は呆れてる。最初はイライラすることもあったけどもう慣れた。
「まあいいわ。後お前相変わらず金髪なんやな。」
「おう!そうやで?金髪かっこいいやろ?」
「かっこいいかはどうか知らんけど注意されたりしたらちゃんと黒に戻しいや。」
「わかってるって。」
俺と洸は中学で出会った。たまたま中学の入学式で同じクラス,席が前後になり俺らは仲良くなった。しかもそれが3年も続いた。だから今度は高校も一緒で高1でも同じクラスになったら4年連続同じクラスになる。まあそうなってくれる方が安心やし洸とクラス一緒になったらなんだかで賑やかでおもろいクラスになるから良い。俺ら何組になるんやろ?
「なぁ伊織。」
「ん?」
「俺さ,高校で彼女作ろって思ってんねんけど,出来そうやと思う?」
いきなり何言い出すんかと思ったらそれか。まあ洸のことやからそんなこと言っても違和感ないけど。
「知らんわそんなん。今後の自分の行い次第でできるんちゃう?」
大体洸は女好きなところがある。それさえ直せばまあ希望はあると思う。
「俺彼女欲しいんよなぁ。中学のときやって彼女できひんかったし伊織はモテるし。あーあ,モテる男は羨ましい!イケメンずるい!」
イケメンに嫉妬したって意味ないのに…。結局は中身がどれだけ良いかが重要やと思う。まぁ多少見た目雰囲気は大事。あと俺ってモテてたんや。知らんかった。
「洸,お前まず雰囲気変えたらどう?チャラチャラしてんの苦手な子の方が多いやろ?」
「それ思ってんけどな,どうしても爽やかにしようとしてもなーんかしっくり来んくてな。結局この見た目の方があ,俺や!ってなるんよ。」
まあそれは言えてる。変に見た目変わっても違和感感じそう。
「まあ洸が1番好きな格好で良いんちゃう?俺は別に今のままでいいと思う。」
「お前さっき言ったことと矛盾してんな。」
「あ,すまん。」
「いいってことよぉ。」
いつものトークをしていたら学校についた。
「おっしゃー!青春すっぞー!!!」
「高校生活モテまくんぞー!!」
と叫びながら正門をくぐった。
「なあなあ,伊織何組やった?」
「俺?あー4組。お前は?」
「一緒。俺も4組。」
「はあ?ガチか。中学3年間もクラス一緒やってこれで4年連続やんか。」
「いいやんかー。俺は知り合いいる方がいいで。」
確かにその方がいいかもな。洸とは3年の付き合いでお互いのこと知り尽くした親友。洸と同じクラスの方がいいなやっぱ。
「おい。伊織。見ろよ。」
突然洸が俺の制服の袖を引っ張る。
「なんやねん。」
「ほらほら。あの子。ポニーテールの。」
洸が指差した先にはポニーテールの女の子がいた。小柄なタイプの女の子。俺から見たその子の第一印象は何かとやる気のなさそうな感じ。
「あの子がどうしたん?」
「いやなんかさ,めっちゃ可愛くない?」
うん,予想通りすぎるアンサー。
「そうか、頑張れ。」
「いや冷た!」
あの子何組なんやろ?後で名前聞こ。なんてナンパみたいなこと言ってる。いつもやけど。けど洸が目をつけた女の子,いずれお前の人生に大きな影響与えるっぽいよ。
「なあなあ,俺らの席ってあっこ?」
「ぽいな。黒板にはそう紙に書いてあるし。」
「けどさぁ,これはないやろ。」
洸がなんか経て腐ってる。
「何が?これ出席番号順なんやから別になんもおかしくないやろ?」
「いやいやいや。俺ら今まで3年間出席番号前後やってんで?それやのに今年になって俺らの間に誰かおるってなんかなぁ。」
しょうもな!そんなんどうでもいいやん!
「いちいちそんなことで嘆くな。当たり前のことやし今年たまたまそうやったってだけなんやから。」
「けど…後ろ気安く振り向かれへん。」
あーそゆこと?まあ洸らしいっちゃ洸らしい。けど俺は嘘のない正直なことしか言わん彼のこと嫌いちゃうで。ホンマのことしか言わんから信用できる。そういや俺らの間には誰が来るんやろ?気になってみてみると
『中尾結愛』
と書かれていた。
「俺らの間の子,名前的に女の子か。」
「え?ガチ?女の子!?しかも『結愛』って名前,バチくそ可愛い子来るんちゃうん?」
おい洸,お前そんな喜ぶか?あとさっきのポニテの子はどうしてん。
「まあとりあえず座ろ。そのうち来るやろ。」
〜結愛side〜
「1年4組って…あ、ここか。」
「やっと見つけた。まあ先生に教えてもらったけど。」
私たちはようやく1年4組の教室を見つけ,そこに入る。やっぱ中学とは違うなぁ。ここで新しい生活が始まるんか。ちょっと楽しみ。
「ゲッ!また私席1番前やん。なんで1番の人っていっつも1番前なん?」
「出席番号順で座ろう思ったら自然とそうなるんちゃう?」
「え〜…結愛は?」
「私?えっとぉ…真ん中列右側後ろから3番目。まあまあ当たりかも!」
「ちょっと結愛いっつも席いいところ引くやん。ずるいって。」
そんなこと言われても…。まあ私の苗字であんまり4月初っ端で1番前にくることはそんな無い。それに比べ相田はそれよりも前にくる苗字があんまりないので1番になる可能性も4月初っ端で1番前になる確率も高い。
「香穂,大丈夫。アリーナ席よりマシやで。」
「そうやけど…。」
と渋々その席に座る香穂。さてと,私もそろそろ自席に座らないとな。と思い指定された席に向かう。すると私の席の後ろになるとある男の子と目があった。
俺は自分のほうに歩いてくる女の子と目があった。
すると私はなぜか分からないけど彼に心を奪われてしまった。
そして俺はその女の子のことで頭がいっぱいになってしまった。
私はたまたま今日席が後ろだった男の子に
俺はたまたま今日席が前だった女の子に
ー一目惚れしてしまった。ー
((あーあ,恋しちゃった。))
私の名前は中尾結愛。今日から鳴乃宮高校の1年生です。そんな私ですが今日早速恋をしてしまいました。その男の子は目鼻立ちの整った顔で背は高めなのにちょっと幼さが残っている。普通入学式の日くらい制服はまともに着るはずなのにその子はネクタイを緩めたりと着崩している。チャラそうなキャラなのかもしれないけど悪い気はしない。むしろ優しそう。
俺の名前は中山伊織。今日から高校生ってわけなんだけど女子とかあんま興味のなかった俺がまさか恋するなんて。その女の子はとにかく可愛くて大人しそうな子。そして小柄な体型。制服はバカ真面目に着てて俺とは全く逆のタイプの人間かもしれない。第1ボタン締めてて苦しくないんかな?少し微笑む笑顔がまた良く,誰にも優しそうな子な感じがする。
(あの人の名前なんていうんやろ?)
(あの子の名前なんていうんやろ?)
彼のことが気になるけどまだ話せへん。
彼女のことが気になるけどなんて話せばいいんやろ?
高校の入学式の日,私は
俺は
運命の出会いをした。