気が付くとカンくんが運転するミニクーパーの中だった、家まで送ってくれるらしい。

時刻は5時47分、あと30分で母親が起き出す時間だ。

まだあたりは暗くひんやりとしている、車内は暖房はかかってなくて窓から入る風が冷たくて気持ちいい。

「さっき変な夢を見た」

私は一人言の様に呟いた。

「どんな夢?」

カンくんはバックミラー越しに私を見て尋ねる。

「なんか銀河の中みたいなところで卓球する夢、宇宙空間みたいな場所でさ、卓球台も心なしか銀河っぽくて、それで相手が昨夜コンビニで見かけた少年だったの。もしかしたらその少年がすばるくんだったりして」