「本当に親御さんに言わなくていいの?心配してるんじゃない?」 心配そうな多希くんは、私が通っている個別指導塾の先生、大学生のアルバイトで私の担当だ。 「大丈夫だよ多希くん、うちの親は気づかないよ、もしも本当に見捨てられたら多希くん家に行けばいいんだしさ」 「あのねぇー僕がそんなことしたら捕まっちゃうんだよ」