魔法使いのところで見た、濃いピンク色の恋の持ち主は誰なんだろう?

 救うって言っても……それが、誰かわからないなら動きようがない。

 せめて、何か手がかりだけでもくれたら良かったのに。

 ほぼこちら任せな、意地悪な魔法使いを思い出すと、眉が寄ってしまった。

 私はマティアスへの素っ気なく短い断りの手紙を書くと、もう寝てしまっているセイラの寝顔を見て微笑んで、灯りを消した。