ぎこちない様子のラウル殿下と目が据わっているメイヴィス様にお暇を告げ、急ぎ私の家、クルーガー男爵家へ急いだ。

「……それで、俺たちに一体何用で呼び出したんだ」

 私はこくっと、喉を鳴らした。

 グランデ伯爵家の嫡男にあたるカイン・グランデ様は、眼光鋭く私とマティアスを見た。

 今この応接室に居るのは私の2人の兄シメオンとヴァレール、マティアスのお兄様にあたる、カイン様、アベル様に弟のエヴァン様。

 アベル様は面白そうに私達を見つめ、エヴァン様はきらきらした青い目で好奇心を隠さず、私達を見つめている。

 マティアスの兄弟だから、当然なんだけど、全員美男で金髪碧眼だ。こういう時でもなかったら、私は彼らを見るだけで舞い上がってしまっていたかもしれない。