私たちの用意もするとなると、時間が足りない。私は時計を確認してメイヴィス様のお姉さま、もう嫁がれたミリエルお嬢様の元お部屋へと急いだ。
◇◆◇
……メイヴィス様に続いて応接室に入った私は、引きつった笑顔を顔に貼り付けるので必死になった。
ああ。忘れていたわ。
……もう魔法使いのところで、いくらか恋の記憶を注いできたものね。
そう、こんな……出会い方をしたなんて、もう忘れてしまっていた。
メイヴィス様の婚約者、薄茶色の髪と目を持つラウル王子は護衛のために二人の近衛騎士を連れて来ていた。
金髪碧眼の女性顔負けの美しい顔を持つ騎士と、黒髪黒目の鋭い印象の精悍で整った顔を持つ騎士だ。
この、金髪碧眼の騎士こそ、私の忘れたい恋の相手、マティアス・グランデその人だ。
黒髪黒目の騎士はジャンポール・ハサウェイ。彼の相棒で仲が良い騎士だ。
ジャンポールには……私も何度か、マティアスも交えて会ったことがある。
「やあ、メイヴィス。今日も美しい……後ろの令嬢たちは?」
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……メイヴィス様に続いて応接室に入った私は、引きつった笑顔を顔に貼り付けるので必死になった。
ああ。忘れていたわ。
……もう魔法使いのところで、いくらか恋の記憶を注いできたものね。
そう、こんな……出会い方をしたなんて、もう忘れてしまっていた。
メイヴィス様の婚約者、薄茶色の髪と目を持つラウル王子は護衛のために二人の近衛騎士を連れて来ていた。
金髪碧眼の女性顔負けの美しい顔を持つ騎士と、黒髪黒目の鋭い印象の精悍で整った顔を持つ騎士だ。
この、金髪碧眼の騎士こそ、私の忘れたい恋の相手、マティアス・グランデその人だ。
黒髪黒目の騎士はジャンポール・ハサウェイ。彼の相棒で仲が良い騎士だ。
ジャンポールには……私も何度か、マティアスも交えて会ったことがある。
「やあ、メイヴィス。今日も美しい……後ろの令嬢たちは?」