そう聞かれた私は顔が、熱くなるのを感じた。

 切ないくらい胸が疼く。ジャンポールのことは、すごく好ましく思っている。

 ……でも、私は。

「ジャンポール、私は、」

 ガタンっと馬車が揺れて、私は前に居たジャンポールの広い胸に向かって飛び込んだ。

 彼は戸惑うようにゆっくりと私を抱きしめると、力を入れて抱きしめてきた。

「ニーナ、口付けをしても?」

 私が答えるより先に、彼は唇を合わせてきた。緊張しているのか、くっつけている部分が震えている。

「ん、ジャンポール」

 私はくっつけたまま彼の名を呼ぶと、開いた唇からぬるりとした厚い舌が入り込んできた。

 翻弄するように、荒々しく私の口内を舐めとるように動く。私の舌を絡めとり、ゆるゆると吸い上げる。

 くちゅりとした水音がなんだか恥ずかしくて、手で胸を押すけどジャンポールはびくともしなかった。

「んんん、」

「ニーナ、甘い」

 一度口を離すと恍惚とした表情で呟き、また深いキスをした。口の中全体を舌で舐めすすり、ゆっくり私の唇食んだ。