「あの……ごめんなさい。わからなくて……どこを触ったら楽になる?」

 私の言葉にマティアスはぐっと息を呑むと、椅子の脚に縛られた足をより大きく開いた。

「マティアス、大丈夫?」

 私を見つめる綺麗な青い目もどこかうつろだ。


 その時、ガンっと乱暴な音がして、部屋の扉が開いた。

 私とマティアスはそちらの方向を見る。蹴って扉を開けたのか、そのままの態勢だ。

「ジャンポール」

 マティアスは呻いた。驚いていた私も、持っていた彼のそれを離した。

「これは、どういう?」

 驚きに目を見開いたジャンポールはそのまま固まってしまった。

「ジャンポール、誤解するな、媚薬を飲まされた僕を少しでも楽にしてくれようとしてしたことだ」

「……媚薬?」

 ジャンポールは凛々しいその顔の眉間に、不機嫌そうに皺を寄せた。