「あ、安心してね?
制服から着替えさせたのも私だから。
ルームウェアも私のボロボロのやつだけど、これくらいしかなくて。

一応男の人なんだし、斎藤くんには席を外して貰ったからね。
彼も心配してたよ?

アイツは昔から、周りのためなら自分を犠牲にするやつだから、って。

朝一番に少年野球の練習場所には必ず来ていて、飲み物やら道具の準備をしてたやつだから、って言ってたかな。

彼、確実に深明のこと、異性として好きなんだと思うよ?

ちょっとは意識してあげたら?

ごめん、長話しちゃったね……

深明、もう熱は下がったみたいだけど、まだしんどいよね。

もう少し寝ているといいよ。

あ、何ならこのまま、この屋敷に泊まっていくのも大歓迎だからね!

ちなみに、斎藤くんなら大丈夫よ。

私の執事が彼の家まで送って行ったから。

深明のこと、最後まで心配はしていたわ。

俺がいても出来ることはほぼないから、私に任せるって。

相当惚れられてるわね、深明ったら」

麗菜はそれ以上は何も言わずに、扉を静かに閉めて、部屋を出て行った。

そういう自分も、一応友達以上恋人未満、くらいな松倉(まつくら)先輩と何度かデートしてるくせに。

ヨッシーに、何か今度お礼するか。

そんなことを考えながら、布団を被った。

「お世話になりました……!」