そろそろ帰る用意を始める。

「じゃあ、お邪魔しました!」

「また来てね!」

さっき帰ってきた恵海ちゃんがお見送りをしてくれる。

「聡太、愛のこと送って行ってあげなよ。一人だけ方向違うんだから。」

ほのちゃん!

そんな、わざわざ…

「そのつもり。いい?一ノ瀬。」

そんなの、もちろん!

「ありがとう!」


久しぶりの二人だけの帰り道。

最近一緒に帰ること、なかったからなんだか緊張する。

「結構勉強したなー…テストできそう?」

「うーん。数学がやっぱり不安かな。」

家に帰ったらもうすこし復習がいる。

「葉はずっと寝てたしな。あいつ、大丈夫なのかな。」

発案者の葉ちゃんは開始わずか一時間で夢の中。

可愛い顔してスヤスヤとよくお眠りになっていた。

「そういえばさ、…一ノ瀬、何かあった?」

浅丘君が足を止めた。

「なんか最近元気なかったから…俺に嫌なことあったりしたらすぐ言ってな。」