そう言うと久住君はさっき浅丘君が座っていた場所に座った。

そしてあたしの隣には浅丘君!

「えー、優大先輩が教えてくれるんですか?」

「なんだよ、古文なら俺のが聡太よりできるっつーの。」

もしかして、久住君、あたしに気を遣ってくれたの?

「一ノ瀬?この問題だよね?」

目の前には浅丘君の手!

「う、うん!どうしてもわかんなくて…」

何回か勉強を教えてもらう機会はあったけど、やっぱり顔が近いのは慣れない。

すごくドキドキしちゃう。

「これはまず方べきの定理で…」

さすがは理系。

すごくわかりやすくて、あっという間に解けてしまった。

「ありがとう!わかった!」

「よかった。じゃあさ、今度は一ノ瀬、俺にここ、教えてよ。」

えっ…

このまま隣で勉強してくれるの?

…嬉しい。

久住君のおかげだ。


それからそのあとは浅丘君の隣で勉強することができた。

結構はかどって、もうすぐ五時半。