へいへい、と葉ちゃんがめんどくさそうに返事をした。

それから教科書を開いて十分後。

ピンポーン

またまたチャイムが鳴る。

「おじゃましまーす!聡太!ここわかんなくて…教えて!」

元気よく入ってきたのは愛奈ちゃん。

こんなふうに、当たり前みたいに入って…

いやいやいや!

二人は幼なじみ!

家も隣なんだから、こんなこと当たり前なんだよ!

「あれ、先輩方、こんにちは!勉強会ですか?」

私服姿もかわいい愛奈ちゃん。

「そうだよ!愛奈もやる?」

「いいの?」

そんなふうにキラキラした目で見つめられて、断れるわけもなく、というより、あたしに断る権利もなく。

「ねえねえ、聡太。ここってなんでこうなるの?」

浅丘君の隣に座ってワークを覗き込む愛奈ちゃん。

ちょ、ちょっとお二人さん?

顔が近いですよ!

ってあたしは小姑か!

「ちょっと愛!アンタいいの?愛奈に押されちゃってんじゃないの!」